エリーズ・グエン・クォ

エリーズ・グエン・クォは、トラップ(フランス)生まれ、ニューヨーク在住。

ここ数年、彼女の制作実践は、彼女自身が“残滓(ざんし)”と呼ぶもの──日常の中で撮影し、収集してきた痕跡──に基づいている。そのどれか一つが、最終的に新たな作品の起点となる。日々の流れの中から、しばしば知覚されないような細部を選び取り、それを画像解像度の限界まで拡大する。そこに含まれるすべてのトーンをデジタル上で抽出し、その色を顔料として再構成して、最も広く、最も繊細な色調のパレットをつくり、ゆっくりと緻密な転写のプロセスを始動させるのである。

そのような現実の微細な断片から生まれる作品は、しばしば巨大な絵画へとスケールを拡張していく。そこには、柔らかくベルベットのような色彩の幅を持つ大きな構図が現れ、鮮やかな絵画的テクスチャーは、再現しようとする物質の奥行きを見事に代替する。こうしたスケールと媒体の転換──現実とそのイメージのあいだを行き来する継続的な運動──を経て、作品は最終的に、可読性や可視的な認識を超えた領域へと身を置く。

ある意味で、彼女は私たちをアントニオーニの映画『欲望(Blow-Up)』の有名な登場人物と同じ位置に置く。公園で撮影した写真の細部を拡大し続け、偶然写り込んだかもしれない犯罪の謎を解こうとする人物だ。現実に適用可能な意味を求めてイメージを際限なく探ろうとすると、結局イメージこそが考えうる唯一の現実となる。この作品においても、解釈への欲求は優雅に溶け去り、身振りそのものの純粋な美しさが姿を現す。

彼女の作品を取り扱うギャラリー: Gratin (ニューヨーク)