アナ・ジョッタ
Missing Pieces
2023
手染め手拭いと折本状のスリーブ
展開時のサイズ: 90 x 37、60.3 x 23 cm
折り畳み時のサイズ: 12 x 22.5、15.3 x 23 cm
限定100部、ナンバリングとスタンプによるサイン付き
残りわずか
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この手拭いは、色を両面に浸透させることで模様がどちらの面にも綺麗に現れる、近年の印刷技法とは異なる伝統的な「注染」という手染め技法にて作られている。さらにこの手拭いには、二色の染料を混ぜ合わせずに、隣同士に、または重ねて用いる繊細で精密さを要求される「細川染」も施されている。この技法では、一色目を染めてから布を洗い、乾燥させる工程を経て、さらにもう一色を染め上げる。乾燥による縮みにより、重ねた2度目の染めが最初の模様から僅かにズレるところが味わい深く、ここに熟練の職人の技術が現れるとともに、一点ものの風合いが生まれる。
「Missing pieces」は一見無邪気にも見える装飾的な模様が、精巧に製作された土台であるリバーシブルな紙、布にあしらわれた、幻想的な作品である。彼女の前回のKeijibanエディションである「Loves me, Loves me knot …」同様、今回の作品でアナ・ジョッタは染めの技法の特質を明らかにしている。色とりどりの丸いモチーフはいくつかの色の端同士が触れ合うが、混じり合いはしないよう、二段階で染められている。折本状のスリーブは、半数の円が欠けたままの、製作の第一段階の状態を見てとることができる。さらに、この連なった円はスリーブ状では裏返されており、手拭いのネガ(陰画)にもなっている。ここでは様々な色が息を潜め、白い円となり、アーティストや見る者全てが自由な空想を働かせられる、何もない舞台空間となっている。
アナ・ジョッタの展示は2023年6月15日から7月31日の期間、Keijibanにて行われます。