アナ・ジョッタ
Un jour sans pain* est un jour sans soleil
2021
二冊の折本
90 kg と200 kg アラベール紙にオフセット印刷
表紙折本: 15.2 x 21 cm (折畳時)、66 x 21 cm (開本時)
本文折本: 14.5 x 21 cm (折畳時)、191.1 x 21 cm (開本時)
限定26部、作家によるサイン・ナンバリング入り、アーティストプルーフ4部
このエディションのタイトル、Un jour sans pain* est un jour sans soleil (パン*の無い日は太陽が無い日)はまるで典型的なフランスの格言のようだが、実はこれはアナ・ジョッタがパリで通っていたパン屋で見かけたモットーの一文である。しかしアスタリスク(*)が事態を少し複雑にする。というのも、この折本の裏にアーティストが書いたのは、このpain(フランス語でパンの意)は英語として(pain=痛み)読むようにという指示なのである。これによってちょっとしたモットーに皮肉な味わいが加わっている。
太陽(がないこと)、傘、そしてKeijibanのエディションの展示用にデザインされた壁紙、これらすべてがこの作品が屋外で展示される梅雨の時期に関連している。また、この折り畳むことのできる便利な傘という道具と折本そのものとの関係にも目を向けることもできるだろう。そして、そもそも折られたものを開き、広げていくことがジョッタの芸術的作為を刺激したことにも。さらに、この傘はこのアーティストがキャリアの初期から収集している、「J」(ポルトガル語でJota)の形のオブジェシリーズ、Jotasの一つにも数えられる。
しかしこれらは、このユーモアや柔軟性にあふれた複雑な作品への入り口のいくつかの道しるべに過ぎない。アナ・ジョッタは日常の記号に着目し、それを再解釈してみせながら、見る者にも同じ行為をするよう促すのである。つまり、すべての言葉やイメージを別の言語で読む行為を。このエディション、そしてその他の彼女の作品は自由な翻訳や創造的な誤解への渇望なのである。
アナ・ジョッタの展示は2021年6月15日から7月14日の期間、Keijibanにて行われました。