アンリ・サラ
Flutterby & Kinperton
2023
2枚のアーカイバルピグメントプリント
各 20 x 24.5 cm
額装無し
限定30部、作家によるサイン・ナンバリング入り作品証明書付き、アーティストプルーフ3部、版元プルーフ3部
残りわずか
Price
¥72,000
エディション
このエディションのタイトルは、長崎を舞台としたプッチーニのオペラ、「蝶々夫人」を明確に参照している。これを念頭にこの白黒写真に映る二人の人物を見ると、蝶々夫人と海軍士官ピンカートンに見えてくる。この二人の悲恋の物語が、隣同士に配置された、不完全な2つの円弧、いわば日本文化への眼差しとも言える、巨大な扇に集約されているかのようである。
しかしこの作品はもちろん単なる図象ではない。タイトルの言葉遊び(“Flutterby and Kinperton”)は、その不可解さ、混成状態を示し、そしてそれは、神や女神、人間、動物が混合され、技術的要素により拡張された神話的人物によって表象されている。ここでは、肉体、文化、時間が、繊細に、ほとんど音もなく衝突し混じり合っている。
パリのチュイルリー公園の名物観覧車が解体される際に撮られたこれらの写真は、「パブリックアート」の概念の皮肉な解釈でもあり、Keijibanの文脈をも仄めかす。伝統的な、台座に乗った像が、その環境によって乱されると同時に高められてもいる。環境、すなわち遊園地のシンボルである観覧車によって「Flutterby and Kinperton」は、アートの異なる領域に踏み込む写真の力のみならず、ハイカルチャーとローカルチャーの相互の繋がりを表象して見せたのである。
展覧会
アンリ・サラの展示は2023年4月15日 から5月14日の期間、Keijibanにて行われます。