Dream's Navel
B・イングリッド・オルソン
2026
施釉磁器、エポキシ樹脂、セルロイド、蝋引き糸、毛髪
約8 × 8 × 4 cm
限定16部(全てユニーク)、アーティストによるスタンプサイン・ナンバリング入り、アーティストプルーフ1部
「Dream's Navel」は、手のひらほどの大きさの陶彫作品からなるシリーズである。それぞれの作品は、空洞や管状の構造、窪みを中心に形づくられ、その後、厚く広がる釉薬によって覆われることで、それらの開口部の大半は隠されている。衣服あるいは皮膚のように、この釉薬は作品の内側に潜む謎めいた身体的形態を覆い隠すと同時に、かすかにその存在を浮かび上がらせる。
わずかに露出した空洞からは、ヴィンテージのセルロイド製ボタンが現れ、臍や内臓を思わせる小さな結び目を形成している。また、蝋引き糸や毛髪の束は、縫合の痕跡や臍の緒、あるいは臓器を包み保護するための素材を想起させる。こうした親密なオブジェは、閉じることと流れること、隠すことと露わにすることのあいだを揺れ動きながら、脆さを抱え、修復され、絶えず変容し続ける身体のありようを示唆している。
タイトルは、ジグムント・フロイトが提唱した「夢の臍(dream's navel)」という概念に由来する。それは、あらゆる夢の中に存在し、解釈が限界に達して未知へと開かれる還元不可能な一点を指す。フロイトにとって「臍」とは、無数の糸が絡み合う結節点であると同時に、決して到達し尽くすことのできない領域への通路でもあった。そこでは意味は無限に枝分かれしながらも、完全に把握されることはない。
「Dream's Navel」は、身体を多層的に表象する作品というよりも、有機的かつ象徴的な凝縮体の連なりとして展開する。欲望、記憶、そして物質の流れは、その一つひとつの形態のなかで絶えず交錯し、新たな均衡を探り続けているのである。