10 by 8 (black.crawl)
キャリー・ヤマオカ
2026
黒色ビニールフィルム、ウレタン樹脂
25.4 × 20.3 cm
限定12部(全てユニーク)、アーティストのサイン入り、アーティストプルーフ1部、パブリッシャープルーフ1部
Price
¥0
エディション
キャリー・ヤマオカによる本エディション作品は、彼女が長年にわたり展開してきた実践をよく示すものであり、しばしば見過ごされがちな化学的操作や物理的プロセスに、視覚的かつ触覚的な詩性を通して形を与えようとする試みである。黒色のビニールフィルム上に樹脂を施すことで、液体同士の親和と反発の作用が立ち現れる。素材は広がり、また引き戻されながら、危うい均衡のうえに成り立つ表面を描き出し、絶えず変化し続ける状態にとどめられている。
このように運動を固定する方法――それを制御するためではなく、その潜在性を保持するための方法――は、写真のスナップショットの論理を想起させる。すなわち、それは時間を無効化することなく宙づりにし、永続する現在のうちに保ち続けるフリーズフレームである。この参照は、素材や制作プロセスにも現れている。そこには、アナログ写真の現像に内在する化学反応を想起させる要素が含まれており、さらに作品の寸法そのものにもそれが反映されている。長らく写真において主流であり、大判カメラと密接に結びついてきた 8×10インチ というフォーマットは、本作をこのメディウムの技術的・概念的な歴史のうちに位置づけるものである。さらに、写真というメディアの深層への探究に加えて、表面の戯れがここに重ねられている。反射、虹彩的な輝き、そして光の微細な変化が鑑賞者の視線を引き込み、知覚と投影とが交差する思索的な体験へと誘うのである。