デニコライ&プロヴォースト
Twinned Windows (Dog)
2021
マット紙にデジタルピグメントプリント
137.6 × 87.3 cm
限定7部、作家によるサイン・ナンバリング入り作品証明書付き、アーティストプルーフ2部
額装なし
国内配送に限り、額装オプションもございます。ご希望の方はこちらからご連絡ください
関連エディション: Twinned Windows (Disco Ball)、Twinned Windows (Dragon)、Twinned Windows (Butterfly)、Twinned Windows (PRESTIGE).
Twinned Windowsのエディションは、ベルギーの最も由緒あるコンクール、Belgian Art Prize (ベルギー美術賞展) のために2017年に制作された、意欲的かつ象徴的な作品であるEyelinerから派生している。Eyelinerはアーティストがブリュッセルの街を歩いていて見つけた、窓辺に飾られたオブジェによって構成される。所有者の許諾を得た上で、展覧会会期中、これらのオブジェは美術センターで展示され、すべてのアイテムに関するドローイング、住所、持ち主との関係を詳説したテキストを掲載したブックレットが作られた。この期間中、オブジェの所有者の窓辺には、通行人に対し、なぜ (今まであった) オブジェが無いのかを説明したポスターが貼られた。展覧会後、貸し出されていたオブジェは元の位置に戻されたが、デニコライ&プロヴォーストのブックレットを用いれば「もともとの展示」を見にオブジェを訪ね歩くことが出来るという仕組みである。
2021年春にベルギーのゲントに位置する現代美術館、SMAK にて開催された大規模な回顧展にて、デニコライ&プロヴォーストはこの同じプロトコルをゲントでも行った作品を展示した。この時二人がゲントの街を歩き、撮影した写真の一部がTwinned Windowsである。
これらのイメージには明らかに、オブジェを発見して採取するドキュメンタリー的な魅力があるが、彼らはそこに社会学的な分析を一切入れこまない。二つのドラゴン、キスをするカップル、犬、蝶、蜘蛛、ミラーボール、二輪のバラ、空想上のビーチ(Prestige版のボーナス写真)はむしろ神話的な読み解きをも想起させる。そしてまた、これらの要素は私たちにとって奇妙なほどありふれたものでもある。イメージの切り取り方や構成によって、見る者とオブジェ、アーティストとオブジェの所有者の距離が取り除かれているのである。
Twinned Windowsというタイトルは、金沢市とゲント市が「双子」(姉妹都市)であることを示しているように見える一方で、2種類の展示方法の関連性も浮き立たせる。つまり、ベルギーの窓辺と日本の「掲示板」はいずれも公共性と私的表現の交わる場所にある装置であるということである。これらは、しばしば見過ごされるものの、日常の創造性と自己表現が立ち現れる場所なのである。
デニコライ&プロヴォーストの展示は2021年7月15日から8月14日の期間、Keijibanにて行われました。