カティンカ・ボックは1976年フランクフルト生まれ、パリ在住。
2000年代初頭以降、カティンカ・ボックは、空間の物理的、時間的、精神的輪郭を追求するため、皮、木、石、布、セラミック、ファウンドオブジェなどの自然素材を用いてきた。彼女の表現は彫刻とインスタレーションの交わるところにある。つまり、形作られた物質の内的資質は、それが展示された環境との関係と同等に重要であり、その物質的な存在は空間を定義、または空間に挑戦する可能性と不可分なのである。
ポストミニマリズムやアートポベラの興りを受け、カティンカ・ボックは、作品が、時間の流れや人体と物質との交流、繊細で不安定なバランスなどを感じ取れるように、物質にシンプルな方法で手を加える(折る、包む、型をとる、刻み込むなど)。ボックはまた写真メディアも利用するが、彼女はこれを自身の表現の「周縁」にあると捉えている。写真は、近接した、見慣れた視点からのアート表現の探求を拡張する一つのツールなのである。彼女の立体作品が一種の流動性や不確定性を体現するのと同様に、彼女の写真は、ある現象が現れる様や、たまさかの出会いへの讃美を物語る。
2019年、カティンカ・ボックはマルセル・デュシャン賞にノミネートされた。ローマのヴィラメディチでアーティストインレジデンスとなり(2012−2013年)、フランスの第14回ペルノリカール財団賞、ドロテアフォンステッテンアートアワードを受賞(2012年)。
最近の個展:Common People 、La Loge、ブリュッセル(2022年)、Katinka Bock、Cahn Contemporary、バーゼル(2022年)、Katinka Bock、303 Gallery、ニューヨーク(2021年)、Logbook、Artium Museum、ヴィトリアガステイス、スペイン(2021年)、Rauschen、Kestnergesellschaft、ハノーバー(2020年)。
カティンカ・ボックの作品を取り扱うギャラリー:Meyer Riegger (ベルリン、カールスルーエ、バーゼル)、Galerie Greta Meert (ブリュッセル)、303 Gallery (ニューヨーク)、Galerie Jocelyn Wolff (パリ)