Love is not having
ロータス・カン
2026
鋳造ブロンズ製のコンブの結び目、絹、ナイロン、鉄
約25 × 4 × 4 cm
限定15部(全てユニーク)、アーティストによるサイン・ナンバリング入り。アーティストプルーフ1部、パブリッシャープルーフ1部
「Love is not having」は、ブロンズ合金で鋳造されたコンブの結び目3点と絹の断片を、ナイロン糸で互いにつないだ作品である。身につけるお守りと吊り下げ式のモビールの中間に位置するようなこの作品は、身につけたり、手に取って扱ったり、あるいはただ静かに置いておいたりすることができる。手や空気の動きによって生じる繊細な音により、作品は触覚的かつ可動的なオブジェであると同時に、音を奏でる存在にもなる。カンはこのような作品を「粘着するオブジェ(sticky objects)」と呼ぶ。それらは、身体的・精神的な旅路をたどる私たちの身体に、付着するように結びついてくるものなのである。
コンブは、ハスの根、アンチョビ、シソの葉などとともに、作家の実践に繰り返し登場する有機的なモチーフのひとつである。これらのモチーフは、天井から垂れ下がる長い編み紐に吊るされたり、畳や展示空間の床に散らばるように置かれたりする。その配置は、オブジェを提示するというよりも、むしろそれらが拡散したり、成長したりする様子を思わせる。韓国人の両親のもとトロントに生まれたカンは、家族の歴史や韓国文化に結びついた形態を作品に取り入れることがある。しかし、象徴的な意味を帯びたこれらの要素は、固定された文化的記号として、あるいは再構築されるべき自伝的アイデンティティの断片として扱われることはない。むしろ、それらは動き続ける形態となり、自己を解体し、再構成するための媒体となるのである。この点において、コンブが体現する根を持たない性質も、作家の関心を引いている。それは、漂流することにも、意図的な結びつきを形成することにも開かれた存在を可能にする、不在のあり方である。こうして「Love is not having」は、不安定な結びつきが織りなす小さな星座のようなものとなる。そこにおいて、結び目は何かを所有し、取り込むための形態ではない。むしろ、それぞれのものを互いに関係づけるための方法なのである。