石川県金沢市高岡町18-13
2024
オーダーメイドシャツ(コットン)にシルクスクリーン印刷
L サイズ
限定7部、アーティストによるサイン・ナンバリング入り、アーティストプルーフ1部
このエディションには、エドガー・アラン・ポーの短編小説『群集の人』を参照している。この小説では、語り手が群衆の中に奇妙な表情をした老人を見つけ、彼の行動を理解しようと後を追うが、結局その本質を捉えることはできない。物語は、我々が世界や人間を認識し、理解することができるのかということに対して疑問を投げかける。ボードレールやヴァルター・ベンヤミンをはじめとする思想家たちは、この作品に触発され、近代的主体性についての考察を深めた。
三輪美津子は1958年名古屋生まれ、名古屋在住。
1980年代半ば以降、三輪美津子は、多面的な作品を展開してきた。それは、親しみやすさと不可思議さ、識別可能なものと言語化できないものを融合させたものである。彼女の作品には、ドローイング、彫刻、インスタレーション、アーティストブックなどが含まれるが、その中心には常に絵画という媒体がある。三輪がこれまでに採用してきた多様な作風については多くの論考がなされてきたが、彼女は、それぞれのスタイルを巧みに、流れるように、そしてユーモアをもって移り変わらせている。この「スタイル」という概念への一見冷笑的な態度と、ポップなイメージや日常的なモチーフの使用、「シミュラクラ」への嗜好、さらには美術史への多重的な参照とが相まって、彼女の作品には明確にポストモダン的な側面が認められる。しかし、それはしばしば安易にポストモダンと括られるものとは異なり、一貫性を持ち、妥協のない、豊かなポストモダニズムである。
「デジャヴュ(既視感)」の概念は、三輪の作品において中心的な役割を果たしている。反復や異なる媒体への転移、トロンプ・ルイユ(騙し絵)や視覚的な「もじり」、アイコンやアーキタイプの使用を通じて、彼女は見るという行為を時間や歴史の中に位置づけている。視覚とは、記憶の想起の過程と深く結びついており、すでに見たものを呼び起こし、それを解体する行為でもある。「見ることは、常に見直すことである」と、彼女の作品は私たちに語りかけている。
三輪美津子の作品を取り扱うギャラリー:SCAI THE BATHHOUSE (東京)、Galerie Greta Meert (ブリュッセル)
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