大谷 透

大谷透は1988年神奈川県生まれ、東京在住。

大谷透の作品の媒体はファウンドマテリアルである。インターネットオークションや偶然の出会いを通して、タバコの包み紙、紙やすり、ポストカード、ノート、チラシなどを収集し、それらをキャンバスとして色鉛筆で丁寧に描かれた作品を制作している。既存のグラフィック要素(ロゴ、表示、または以前に使用された痕跡)は、隠されたり、明示されたり、孤立したり、繋がったりして、解けない判じ物(訳註:文字や絵画に隠された意味を当てる謎解き)のような謎めいた構図を形成する。

一連の要素は、彼の作品を通じて、シンボルや原型として長きにわたり繰り返し登場し、その都度、新しいメディアや新しい戦略を見つけ、その姿を現す。フロイトによる夢の仕組みの説明では、私たちの潜在的な思考は変位と凝縮のプロセスを経て、翻訳されるべき象形文字の形をとる。これがおそらく、大谷の作品群が私たちに与える魅力を最もよく表しているだろう。

大谷透の作品を取り扱うギャラリー: XYZ Collective(東京)