八重樫ゆい

Lace

2023

紙にテクスタイルスタンピング

マット付き・額なし

26 × 20.4 cm （マット含）

限定10部、アーティストによるナンバリング・サイン入り。アーティストプルーフ5部

関連エディション: 「Tsumugi」

残りわずか

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エディション

「Tsumugi」と「Lace」において八重樫ゆいは、アーティストとしての制作活動を形づくる決定的素材となった布へと回帰した。格子状の構造と重ねることによって作られるパターンが生む可能性が、繊細に紡ぐように描かれた彼女の絵の核である。八重樫は長く布の破片を収集しており、ノートにまとめているが、彼女はこれらをスケッチにも似たものと捉えている。

今回の2種のエディションに使用されたスタンピング技法は、彼女の一連の作品とその「根源」との物質的つながりをより明確にしている。印刷版の代わりに布片が直接手作業で紙に写し取られ、驚くべき精密さにより、複雑で躍動的な紬やレースの、目を奪われるような透明の重なりが再現されている。いずれの場合も素材及び転写のきめ細かさにより、まるで機械印刷かのように糸はほとんどハーフトーン（網点）のドットのように見え、織り、印刷、絵画の境目を曖昧にしていくのである。

アーティスト

八重樫ゆいは1985年千葉生まれ、東京在住。

八重樫ゆいは15年以上、以下のような抽象画の真髄を探求することに全てを費やしてきた：無限の色の組み合わせ、平面と奥行きの相互作用、心象描写、キャンバスの限界。しかし彼女はこの壮大で神秘的な命題を、静謐でごく淡々とした手法で成し遂げた。モダニストの探究が物質的なクラフトの条件とここで出会うことになる。布の構造に基づき、彼女の作品は、スケール、道具、色、テクスチャーにおいて既定のルールに従って、同時に即興的にそれを乗り越えながら制作される。多くの場合それはいくつもの層が織り重なる小さな油絵へと結実し、その繊細で卓越した存在感には議論の余地がない。これほど簡明かつ控えめな筆捌きによって素晴らしい視覚的な驚きをもたらす八重樫の立ち位置はさしずめ、アンニ・アルベースとニエル・トロニらの作品が交わるあたりであろう。

最近の個展：「View from here, an occurrence」, LambdaLambdaLambda, プリシュティナ, 2022; 「HINAGA」, La Maison de Rendez-vous, ブリュッセル, 2022; 「purple, black, fog」, Parrasch Heijnen, ロサンゼルス, 2022; 「Yui Yaegashi」, Queer Thoughts, ニューヨーク, 2021.