水上愛美は1992年東京生まれ、東京在住。
水上愛美の絵画は、説得力を持ち、夢のような儚さをたたえている。その独特の魅力は、何よりもまず、彼女が用いる特異な技法に由来する。キャンバスの上に鉛筆やアクリル絵の具で描かれた物語の層を幾重にも重ね、それらを砂のペーストで覆い、新たな場面を加えていく。このようにして、絵画は加筆と消去を繰り返しながら、少しずつ姿を現していく。完成した後でさえ、作品はなお生まれつつあるように見え、まるで儚い幻影のようだ。その不均一な表面には、予期せぬ要素や影、移ろう形、そしてどの地層から現れたのか知れぬ色彩の断片が潜んでいる。まるでパリンプセストのように、過去の筆致や出来事の痕跡が刻まれているのだ。こうした物質的で根源的な歴史や目に見えぬものとの関係性は、水上の作品に登場する図像にも表れている。彼女の絵画には、幽霊や幻想的な存在がしばしば姿を現し、それらは多様な文明の神話や伝承、学術的、大衆的な文学、絵画史、さらにはビデオゲームや漫画といった異なる領域からも取り入れられている。こうして彼女の魅惑的な絵画は、単なる視覚表現を超え、私たち自身の想像力を掘り起こす、まるで考古学的な探求のような営みとなっている。
水上愛美の作品を取り扱うギャラリー: 4649 (東京)、Ehrlich Steinberg (ロサンゼルス)