首藤 直輝
Void (空)
2024
鉄製のアルトイズ®の箱にエナメル、マグネット
6.1 × 9.6 x 2.8 cm
限定15部、作家によるサイン・ナンバリング入り作品証明書付き、アーティストプルーフ2部
Price
¥38,000
エディション
このエディションは、特徴的なミント・メタル缶のデトルネマン(転用)である。首藤はこののど飴をいつも愛用しており、その箱を大切に保存している。それは「コレクションのコレクター」のような存在として、長年にわたって彼が築き上げてきたコレクションに追加されたもうひとつのコレクションである。したがって、ここで言及されている空白(Void)は、熱狂的な消費者やコレクターが、自分自身の強迫観念や、彼らを駆り立てるとらえどころのない動機について思いを馳せる気持ちと関連しているかもしれない。ここでは、内省的な物質主義が、皮肉にも仏教とその中心的概念である空虚と出会っている。
のど飴やキャンディー全般は、首藤の作品に繰り返し登場する要素であり、素材としてもモチーフとしても常用される箱も同様である。そのフェティシズム的な魅力、小宇宙的な次元、そして複数の文化的参照などの要素が彼の興味をかき立てている。今回は、工業的かつ消費主義の拡大に直面する多くのネオアヴァンギャルド・アーティストたちにインスピレーションを与えた象徴的なブリキ缶への、より直接的なオマージュと見ることもできる。この点で、赤瀬川原平の作品『Canned Universe』(1964年)は際立っている。カニの缶を空にして中のラベルを貼り替え、再び封をすることで、この日本人アーティストは宇宙を裏返しにすることを示唆したのだ。
展覧会
首藤直輝の展示は2024年4月15日から5月14日の期間、Keijibanにて行われました。